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スギ花粉症

 スギ花粉症は国民の4人に一人がかかっているといわれる国民病の一つとなりつつあります.戦後の木材需要を補うために植林された大量のスギが成長して成木となり大量の花粉を同時期に飛散させます.木材需要の減少や林業衰退から花粉飛散量は徐々に増え続けてきており,今後も悩まされことになります.スギ花粉症では結膜炎や鼻炎のみならず皮膚がかゆくなる「花粉症性皮膚炎」や咳や痰などの「せき喘息」なども引き起こすことから患者さんにとっては憂鬱な季節病です.

​スギ花粉症の治療

 スギ花粉症の治療は「抗原回避」「症状緩和のための抗アレルギー治療」「免疫治療」に大きく分けられます.抗原回避はその名のとおり,「スギ花粉を浴びない」「スギ花粉を持ち込まない」ということです.マスクやゴーグルなどはもちろん,自宅に入る前に衣服を払う,空気清浄機の設置など,自宅に持ち込まないのがアレルギー治療の最も大事な治療です.風邪をひいたりすると症状が悪化しますのでこれらにも注意します.抗アレルギー治療は,アレルギー反応を抑える薬を花粉飛散前に内服開始して,飛散後ももちろん花粉を浴びないようにしながら症状を抑えていく治療です.治療は複数の薬を組み合わせながら副作用に注意しつつ使用し飛散が終わるまで続けます.

スギ花粉舌下免疫療法

 免疫療法は減感作療法として以前から行われてきた治療ですが「舌下アレルゲン免疫療法」は少量のスギ花粉をふくむ薬剤をすこしずつ口腔内より吸収させることにより体の免疫反応を改善させ(IgG,IgEなど難しい話になりますので割愛します),症状の緩和,寛解(消失)を目指す治療です.欧米などでは古くから広く一般的に行われてきた治療で,日本では2014年より保険適応となりました.

方法:1日1回,少量の薬から服用をはじめ,その後決められた一定量を数年間にわたり継続して服用します.初めての服用は,医師の監督のもと行い,2日目からは自宅で服用します.
治療期間:約3年から5年続けます.
効果:7割近くの患者さんに症状が軽くなりそのうち1割に寛解,つまり症状が消失するといわれております.

​ダニ舌下免疫療法も取り扱っております.

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